こんにちは脇村です。僕のブログでは、本業での実務上のEXCEL、ACCESSマクロ&VBAの使えそうなコードの紹介、コールドリーディングの実践例、電話占いでの現場、最近読んでいいなと思った本等について、主に発信していきたいと思っています。
今回、紹介したい本はだから、部下が、ついてこない! 嶋津良智(著)です。
これから上司を目指す方には参考になると思います。また部下の視点からも上司とはこういうものであってほしいということが学習できる本です。
僕なりにp205ページ中、特に印象に残った箇所をピックアップしたいと思います。
p3日常業務の中でも優秀な部下は育つ
会社にとって一番大切なものは何ですか?それは「人」です。人によってすべては決まるといっていいでしょう。優秀な人材がいる会社は高い業績を上げ成長していきます。優秀な人材がいる部門・部署・チームは目標を達成し業績アップに貢献します。会社でも部門・部署・チームでもその成長のカギは人が握っているのです。そうなると課題はいかに優秀な人材を増やすかにあります。優秀な人材を増やす方法は採用と教育しかありません。この二つが充実すれば会社や組織は優秀な人材でいっぱいになります。ところが現実にはなかなかうまくいきません。なぜだかわかりますか?それは教育が十分でないからです。採用に関しては、どの会社でも社長さん以下、人事部などを中心に力を入れていますしその会社なりのノウハウを確立されているでしょう。ですが教育についてはどうも十分とは言えないようです。日常業務に追われて人材育成にかける時間的余裕がなかったり教育研修にかける予算がなかったり・・・。これらの理由で教育が十分に行われない。特に中小企業ではこの傾向が強いようです。では日常業務の中で人材育成をする人といえば誰でしょうか。それは上司です。人は誰と出会うか、誰に教わるか、誰に相談するかによって人生が変わります。仕事の現場では部下は良い上司に出会うことによって良い言葉、良い思い込み、良い学びを吸収していくのです。その結果部下の意思決定の質が変わり行動が変わり成果が変わっていくのです。
p5魅力ある上司が最高の部下最高の組織を作り上げる
上司が良ければ部下は自然と良くなります。ピータードラッカーが「人材育成の要点は一流の人材とは働かせることである」と言ってるように部下の成長は上司次第です。そこで私は「上司学」というものを作りました。本書で紹介する上司学は次の三つのプログラムで構成されています。①最高の上司になる→魅力的な上司像を明確にして行動する。②部下と最高の関係を作る→部下との効果的な対話による関係強化を図る。③最高の組織を作る→最高の組織を作り業績アップを図る。それぞれについてもう少し説明しましょう。上司学ではまず上司自身が魅力的になることを目指します。もともと部下は上司を見て育ちます。部下を変えたいと思ったらまずは上司自身が上司とはどうあるべきか、ものの見方、考え方を学び実践しなければなりません。その次は部下との一対一のコミュニケーションです。上司自身がどんなに素晴らしい考え方を身につけたとしても心を開き合える関係でなければ上司の言葉は部下には届かないでしょう。そのためにコミュニケーションのスキルやテクニックを学び、部下との関係強化を図ります。魅力ある上司となり部下と最高の人間関係が築けたならば最後の仕上げは組織づくりです。上司は常に一対一のコミュニケーションで部門を運営していくわけではありません。自分が統括する組織全体を強化し生産性の高い集団に作り上げなければならないのです。
p6上司学はプラスの連鎖を生む社会貢献
会社のみならず社会を活性化させるものです。それはこういうことです。上司学を学んだ魅力ある上司が部下との友好な関係を築き組織を強化します。そしてその中で何人かの優秀な部下を育成します。やがてその部下は魅力ある上司になり部下との友好な関係を築き組織を強化して新たな部下を育成していきます。この一人の優秀な上司がいることによりプラスの連鎖のサイクルによって優秀な人材がねずみ算式に増えその人材が次々と社会へ排出されていくのです。その点で上司学を学び部下に伝えていくということは優秀な人材を効率よく生み出す最大の社会貢献だと私は考えています。 上司の最大のミッションは部下の目標を達成させてあげることです。最高の上司が部下との最高の関係を築き部下が自らの目標を達成することによって組織の目標が達成されます。こうして部門の業績は上がっていくのです。上司学を学ぶことであなたは魅力的な上司になり部下との最高の関係を作りそして組織を強化し業績をアップを図ることでしょう。
p20人を動かそうなんて考えるな!
人を動かそうと考えること自体ちゃんちゃらおかしいんですよ。上司というのは部下が自ら動こうとする環境を作ることが大切なんです。
p21 だから俺についてこいは時代が違う
上司のやり方や考え方がどんなに正しくても部下が納得して自ら動こうとしなければ意味がありません。そんな状態で部下を無理やりに動かそうとしても、短期的にはうまくいく事があっても長続きはせず望む結果はなかなか得られないのです。部下を動かそうとするのは自分が先頭になってグイグイ引っ張って行こうとするタイプの上司に多いようです。黙って俺の言う通りにやれから部下自身に目標を持たせるやり方にしたところ部下が自分から動くようになり次第に業績も上がっていったのです。人は命令されて動くよりも自らの選択により納得して動いた方が何倍ものパワーを発揮します。自ら考え自ら判断して行動するとなればそのエネルギーは何十倍にも膨れ上がります。それは瞬間的に発揮するパワーでもパワーの継続性においても同じです。大きな力を長時間出し続けることができるようになります。部下に動いてほしいあるいは部下に能力を最大限発揮してほしいと思うなら部下を意のままに動かそうなどとは決して思わないことです。部下が自ら行動するようになるためにあなたができることは何ですか?上司は常にそのことを考えなければならないのです。
p29部下の行動の鍵を握るのは目的と目標
目的と目標の違いは何ですか?目的とは何のためになぜやるのかという行動の自由であり、目標とはいつまでに何をどうするという手法のことです。
p57人生最大のリスクはチャレンジしないこと
人生は下りのエスカレーター。本当に恐れなければならないのは何かにトライして失敗するリスクよりもチャレンジしないリスクなのです。もちろん初めてトライする事なら誰だって失敗したら嫌だなと思うでしょう。でもそこで立ち止まっていては何も変わりません。変わらないどころか現状維持によって自分自身が陳腐化し時代に取り残される危険性もあります。ですが失敗すること自体は悪いことではありません。失敗から何かを学ぶことができればそれはもはや失敗とは言えないでしょう。一つのチャレンジが失敗に終わってもそれが教えとなり次にはより良いチャレンジをすることができるはずです。実は失敗した時にこそ他人の意見に素直に耳を傾け、自分のやり方、考え方を変えるきっかけをつかめるのです。
p66微差 僅差でも結果は百八十度違う
考えてみると日常生活は小さな選択に溢れています。仕事のやり方を変えた方がいいかなとか近くまで来たから取引先に顔を出してみようかななど数えあげればキリがないでしょう。人はちょっとした選択に迫られた時、案外どうせやってもやらなくても同じだよと考えてしまいがちです。でもそういったそういった時にこそやらないよりやった方がいいよなという言葉をつぶやいてみてください。ちょっとした努力や頑張りが思いもよらない差を生むことがあるのです。行動する前からやってもやらなくても同じというのはやらないための理由付けに過ぎないんじゃないですか?同じかどうかはやってみなければわからないでしょう。やってみた結果大きな差を生まなかったとしても決してそれは無駄ではないのです。ちょっとしたことでもやってみるのは一つのチャレンジです。小さなチャレンジの一つ一つは確かに微差、僅差かもしれません。ですが微差、僅差を積み重ねることによって大きな差を生むことになりますし、小さなことでもやってみるという考え方を持っていれば大きなチャンスが巡ってくる可能性もあるでしょう。チャレンジと言うと大きなものにトライしなくてはという印象を持つかもしれませんが、必ずしも大きなトライは必要ないのです。むしろ日常生活の中では小さなチャレンジの方が登場する機会が多いですよね。小さなチャレンジの一つ一つをするかしないか。最初は大した差はないでしょう。でもそれを繰り返し積み重ねていくことで最終的に大きな差が出てくるものです。これが成功する人とそうでない人の差ということになるのです。
p78仕事をするなんて上司じゃない!
上司の究極の仕事は自分の仕事をなくすことです。自分の仕事を減らして楽してハッピーという意味ではありません。上司であるからには部下にでもできるような仕事をしているようでは駄目だということです。そもそも上司は部下よりも給料が高いのです。そんな高給取りが給料の安い部下と同じ仕事をしているようでは上司である意味がありませんよね。つまり上司は上司にしかできない仕事をするからこそ部下と違うポジションにいるのです。そして自分にしかできない仕事をするためには部下にできる仕事はどんどん部下に任せれば良いのです。ですが世の中には何でも自分でやらなければ気が済まないという上司が多いようです。また何でも知っていなければ気が済まないというタイプもゴロゴロいます。私が会社を経営している時このタイプの上司になぜ部下に仕事を任せないの?と聞いたことがあります。「すると自分でやった方が楽なんですよ」、「教えるのがめんどくさいんでね」、「自分でやった方が早いんです」、「部下に任せるのはちょっと心配なので・・・」という答えが返ってきました。こうしたことはすべて真実でしょう。能力が認められて上司になった人なら同じ仕事を部下よりも早く正確にやれるはずです。でも上司としての重大な役目を果たしていないことにも気づいて欲しいです。それは部下を育てるという上司にとって一番大事な仕事です。自分でやった方が効率的だからといつまでも自分でやっていたら部下は一向に育ちません。
p79勇気を出して仕事を振れ!
そうは言っても自分の仕事を部下に任せるのはとても勇気がいることです。自己責任のところでもお話ししましたが部下がミスをすれば結局は自分の責任になります。自分がやれば安心なところをあえて部下にやらせるのですからそれだけハイリスクな選択をしているとも考えられます。それでも上司なら部下を信頼して仕事を任せたり権限委譲するべきでしょう。もちろんそのためには部下を教育しなければならないでしょうし自分がやった場合よりも多くの時間がかかることを覚悟しなければなりません。でも部下は責任ある仕事を任されることにやりがいを感じチャレンジする中で学び成長していくものなのです。
p80上司の役割は親と同じ
部下に仕事を任せたら上司がすべきことは我慢です。我慢と口で言うのはたやすいですが実際にやるのは大変です。私も我慢の強さを身をもって経験しました。部下に仕事を任せその仕事ぶりを見ていると違うなそうじゃないんだけどなあと思うことが数限りなくあります。ですが折に触れて助言することは大切ですけれど1から10まで口を出すようでは仕事を任せた意味がありません。そこはやはり我慢なのですね。その点で上司は人の親に似ています。親というのは子供の成長をとにかく待つ生き物です。立ち上がるのを待ち、言葉を発するのを待ち、歩き出すのを待ちます。1年でも2年でもひたすら待つのが親の役目です。生まれたばかりの赤ん坊に「なんだあいうえおも言えないのか」という親はいませんよね。できなくて当然なのですから。それは部下も同じ事です。新しく任せた仕事を部下がスムーズにできなかったからといって文句を言っても始まりません。部下は失敗や試行錯誤を繰り返しながら少しずつ出来るようになるのです。その成長過程をじっと見守り受け入れてあげるのが上司の度量というものです。部下に任せた仕事にいちいち口を出し、挙句の果てには仕事を取り上げてしまうようではいけません。部下が手間取った仕事をささっとこなしたら○○さんはさすがと思われるでしょう。でもそんな評価に何の意味があるでしょう?
p81優秀な人ができない部署を作る理由
人事異動があったとき上司の実力がよくわかります。ある部署を統括していた A さんが異動で別の部署へ行くことになりました。Aさんが去った後、元いた部署の業績が落ちました。さて A さんの評価はどうなるでしょう ?「A さんが優秀だったから彼がいた頃は業績が良かったのにね」という声が聞こえてきそうです。また A さんにしてみれば自分がいたから業績が良く、いなくなったら悪くなったとなれば「やっぱり俺がいないとダメか」という調子でなかなか気分もいいでしょう。でもそれは勘違い。自分がいなくなって業績が落ちるということはそれだけ部下が育ってなかったということになりませんか?Aさんは仕事のできる人かもしれませんが部下が自立して仕事ができる状態は作れなかったので明らかなマネジメントミスです。上司は自分がいる時に部下が何をしているかではなく自分がいない時に部下が何をしているかで真価が問われます。上司がいる時に部下が一生懸命働くのはいわば当然。でも上司がいない時に部下がどれだけ仕事をするかあるいはその部署がどれだけ機能するか、力を発揮するかが重要なのです。上司の究極の仕事は自分の仕事をなくすことの真の意味はそこにあります。上司は自分がいついなくなってもいいようなマネジメントを常に心がけなければなりません。上司の存在価値は自分がいなくても同じように部署が回っていく状況を作り上げるというところにあるのです。
p83任せると報告させるはワンセット
どんどん部下に仕事を任せていればそれだけ心配も増えるものです。そこで部下には報告義務があることをきっちりと伝えておきましょう。仕事を任せるということには責任が伴います。そしてその中には説明責任も含まれます。このことを部下に伝えます。「お前を信頼してこれだけ仕事を任せる」という時には「仕事を任されたからには責任が伴うのだからきちんと報告する義務もあるんだぞ」と言っておくのです。どの段階で報告させるかは仕事の内容にもよりますし、任せる部下の能力は経験値によっても変わってくるでしょう。ですがどのようなケースであってもしっかりと報告させることは絶対に必要なのです。あれこれ口出しするのではなく必要に応じた報告を受けその際にアドバイスをし結果を評価する。この関係をきちんと作っておけば仕事や権限を委譲することができます。報告は部下を信頼していないから求めるのではなくあくまで任せた仕事の一部であるということを伝えておくべきです。もし必要であればどのようなタイミングでどのような報告をすればいいのか伝えておくと良いでしょう。
p84上司の仕事がなくなれば組織はもっと大きくなる
さて晴れて仕事が亡くなった上司は何をしたらいいでしょう?わかりますか?自分の部門の仕事は全て部下に任せているのですから上司は新しい仕事にチャレンジしましょう。どうしたら部門の活動範囲を広げることができるのか、どんな新規事業を始めることができるのかなどを考えチャレンジするのです。新しい仕事という意味では自分よりさらに上の上司がしている仕事の中で自分ができることがないか考えてみるのもいいでしょう。そうすれば上の上司は仕事が減り事業拡大を考えたり更に上の上司の仕事をすることができます。下の人間が上の仕事をどんどんこなし空いてきた人間が事業拡大していくと言うのはとても良い循環で私はこれを善循環マネジメントと呼んでいます。つまり部下に仕事を委譲することで自分の仕事をなくすというのはどんどん組織を大きくするコツでもあるのです。これこそができる上司の仕事のスタイルです。部下に仕事を任せられず、「自分でやった方が早い」などと言っているのはスケールの小さな話だと思いませんか?
p93気づかないうちに人は仕事を作る
仕事を見直す時に人は仕事を作るということもぜひ覚えておいてください。今自分がやっている仕事あるいは部下がやっている仕事を総ざらいしたときそれは本当に必要な仕事なのかと思いながら検証します。なぜなら知らず知らずのうちに作り出された無駄な仕事が含まれているからです。普段仕事をしている中で周囲が忙しそうにしていると自分も忙しくしなければいけないんじゃないかと不安に思います。あなたもそうではありませんか?すると実際にはやらなくてもいい仕事を何となくやり始めたり不必要に手順を踏むことで自分も忙しい人たちの仲間入りをしようとするのです。暇そうにして遊んでいると思われたくないという気持ちから嫌な仕事を作り出してしまうのです。これをやっているのは部下だけとは限りません。私もかつて自分の会社の中間管理職たちが無駄な仕事を作り出しているのを何度か見てきました。上司であるあなたも一度自分を見直し見つめ直してみたらいかがでしょうか?上司は忙しそうな雰囲気で評価されるものでありません。忙しい忙しいという前にまずは本当に忙しいのかどうかを調べてください。暇な部署ももちろんですが忙しそうな人、忙しそうな部署こそ忙しい時間を割いてでも仕事の見直しが必要です。見直しすることで新たな問題を発見することもできるし仕事のムリ、ムダ、ムラを無くすことができますよ。
p112上司の答えに潜む副作用
部下の抱える問題をズバッと解決する上司はかっこいいものです。部下はその上司を尊敬し、「さすがは○○さん」などと言うでしょう。言われた上司は「どうだ、俺は凄いだろう」と言わないまでも心の中で思うはずです。上司にとってこれは本当に気持ちの良い瞬間です。その部下は同僚たちに「○○さんに相談したらすぐに解決してくれたよ」なんて言って回るかもしれません。それとまた別の部下が相談に来るので「あーそれは簡単だよ。これをこうしてあれはこんな風にすればすぐに解決するぞ」と答えます。そうなるとその部分では○○さんに相談すれば何でも解決するという認識が広まり上司は絶大な信頼を得ます。まさにヒーローです。上司の答えに部下も納得しているのですから一見理想的な職場環境のようにも思えます。でもこれではだめなのです。部下が何も考えなくなってしまうのです。スッキリと問題を解決させる特効薬の後ろにあるこの重大な副作用を上司は忘れてはいけません。部下の問題を上司が解決してしまうということは部下の大切な成長の機会を奪うことにもなりかねないのです。告白すれば実は私も部下の問題を次々に解決し「さすが嶋津さん、嶋津さんに相談すればばっちりですね」と言われてご満悦になっていた時期がありました。その時も部下が自分で考えようとしなくなってしまったのでした。この本でお話ししている通り、人は自ら考えて行動した時に最も大きなパワーを発揮します。ところが上司が何でも解決してくれるという職場では、大きなパワーを発揮しているのはご満悦な上司だけで部下の能力を引き出すことはできていません。部下にアドバイスをすることは大切ですがその前にまず本人に考えさせましょう。そのために「君はどう思う?」が有効なのです。
p115自分の意見なんて捨ててしまおう
A 案と B 案があってどちらでも大差はないと思える時、私は積極的に部下の意見を採用します。仮に私が提案したのが A 案でも部下が B 案を提案したなら B 案を採用します。現実問題として部下と意見が対立したときどうしても自分の案を通さなければならないというケースもあります。その時には自分の意見を通すのですが、いつも自分の意見を通していると結局は部下が自分で考えなくなります。そうならないために可能な限り部下の意見を採用するのです。上司とは違う案や意見を出してそれが上司に認められ採用されたら部下は自信を持ってさらに考えるようになります。大差のない案の採択で部下のモチベーションを上げられるなら部下の意見を採用した方が良いでしょう。上司というのは自分のすごさを部下にわからせるために存在しているわけではありません。あくまでも部下が自分自らの考えで行動し最大のパワーを発揮するように働きかけるのが上司の役割です。能力のある人ほど素早く答えを導き出すことができますがそれをそのまま伝えるのは本当の意味でのできる上司ではありません。上司が目指すのは部内で一番できる人間ではなく社内で一番できる部門を作ることなのです。
p162できない部下にも責任を持て
現実問題として多くの部下を見ていれば褒めるところがたくさんある人もいれば残念ながらあまり褒めるところが見当たらない人もいるでしょう。ですがどんなに良いところが見当たらない部下でも自分の下で働いている以上意識して褒めるところを探さなければなりません。通常褒めるところが少ないほどやる気もないものです。ですからやる気の循環システムを回してあげる必要があるのはむしろできない部下ということになります。大抵の人ができる部下を評価して、できない部下は評価しないでしょう。それではできない部下は成長しません。部下の成長は上司に課せられた責任ですからあいつは駄目だからと諦めるということは上司の仕事を放棄したも同然です。絶対に見捨ててはいけません。私は部下を持つ上司たちから「あいつは駄目だ」というような話を聞かされた事が何度もありました。そんな時私は必ずこう言ってきました。「部下がダメなのは上司の責任だよ。諦めて切り捨てるということは自分の責任を放棄してるのと一緒だよ」そしてどうしても評価できない部下に対しては自分の責任で辞めさせるなり移動させるなりすべきです。部下にしてみれば直属の上司に認められないほど辛いことはないでしょう。モチベーションは上がらないし業績もあげられません。そんな悪循環の中で仕事をするほど不幸なことはありません。そんな状況で部下を飼い殺しにするくらいなら別の上司のところで働かせてあげた方が良いのではないですか。もしあなたができる部下を評価しできない部下を評価していないなら是非考え直してください。意識してでも評価すべきなのはできない部下の方かもしれません。
p194情報と信頼はギブアンドテイク
部下が情報を求めてきたとき君はそこまで知らなくてもいいよとかお前に教えることはできないと答えたらどう思うでしょうか?あなたが部下の立場で上司にそんな風に言われたらどうですか?なんだ、俺は信頼されてないんだなと思いますよね。上司に信頼されてないと感じたら部下のモチベーションは一気に下がります。部下にやる気を出させるはずの上司がわざわざ部下を腐らせてしまうのです。一方、情報を公開した時、部下がこんなことまで俺に教えてくれるのかと感じたらどうでしょう。部下は上司に信頼されていると感じ、上司のことも信頼するようになるでしょう。人は自分が信頼されているとわかると相手のことを信頼するようになります。自分が心を開けば相手も開いてくれるというのと同じです。それならば上司が先に部下を信頼してやればいいのです、私自身の経験では部下を信頼して情報を公開したら部下は私や会社を信頼してくれるようになりました。公開した情報の中には悪い情報も含まれていたにも関わらず社員はより一層私を受け入れてくれたのです。正直情報を全てをオープンにして気分的にも楽になったものです。上司と部下が問題を共有するためにも部下に対する信頼を示すためにも、そして自分自身が楽になるためにもぜひ情報は開示してください。
p198自分の無能さを宣伝するな
上司の姿が映し出されるのは活気のあるなしだけではありません。上司がいつも時間がない時間がないと言いながらせわしなく仕事をしていれば組織全体が忙しなくなります。反対にいつも上司がダラダラ仕事をしていれば部下たちもダラダラ仕事をします。また部下が一生懸命仕事をしていないなと感じる時は、上司であるあなた自身が一生懸命仕事をしていないのです。上司の三大禁句は疲れた、時間がない、忙しいです。こんな言葉を四六時中発している上司は自分の能力のなさを宣伝しているようなものです。そしてその空気は必ず部署全体に広がっていきます。もし自分の部下たちが3台禁区を連発していたらあなた自身が疲れた、時間がない、忙しいと言っているかもしれません。上司が部下を見ている以上に部下は上司を見ているものです。上司の言葉や態度は上司が考えている以上に部下に影響を与えています。ですから部下とコミュニケーションを取っているときはもちろん一人で仕事をしている時でも見られているという意識を持ちましょう。部下がいると緊張するくらいの気持ちでちょうど良いかもしれません。組織を変えるならまず上司であるあなた自身が変わるべきです。全てはそこからスタートです。
いかがだったでしょうか?以上、読めてよかったと思うところを抜粋してみました。凄く企業での上司の在り方について学習できた本でした。
まとめると日常業務の中で人材育成をする人といえば誰でしょうか。それは上司です。人は誰と出会うか、誰に教わるか、誰に相談するかによって人生が変わります。仕事の現場では部下は良い上司に出会うことによって良い言葉、良い思い込み、良い学びを吸収していくのです。その結果部下の意思決定の質が変わり行動が変わり成果が変わっていくのです。もともと部下は上司を見て育ちます。部下を変えたいと思ったらまずは上司自身が上司とはどうあるべきか、ものの見方、考え方を学び実践しなければなりません。その次は部下との一対一のコミュニケーションです。それと上司であるからには部下にでもできるような仕事をしているようでは駄目だということです。そもそも上司は部下よりも給料が高いのです。そんな高給取りが給料の安い部下と同じ仕事をしているようでは上司である意味がありませんという風にしました。
個人的に本書で一番読めてよかったと思う部分はp162できない部下にも責任を持て「部下がダメなのは上司の責任だよ。諦めて切り捨てるということは自分の責任を放棄してるのと一緒だよ」そしてどうしても評価できない部下に対しては自分の責任で辞めさせるなり移動させるなりすべきです。部下にしてみれば直属の上司に認められないほど辛いことはないでしょう。モチベーションは上がらないし業績もあげられません。そんな悪循環の中で仕事をするほど不幸なことはありません。そんな状況で部下を飼い殺しにするくらいなら別の上司のところで働かせてあげた方が良いのではないですか。もしあなたができる部下を評価しできない部下を評価していないなら是非考え直してください。意識してでも評価すべきなのはできない部下の方かもしれません。 というところでした。
以上、だから、部下が、ついてこない!について取り上げてみました。
ちなみに名著と言えば
・嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え 岸見 一郎 (著), 古賀 史健 (著)
・完訳 7つの習慣 人格主義の回復(新書サイズ) 新書 スティーブン・R・コヴィー 、 フランクリン・コヴィー・ジャパン
・人を動かす 文庫版 D・カーネギー (著), 山口 博 (翻訳)
自己啓発書は時間がないなら、この3つを読めばおよそは補完できると言われています。ほとんどの自己啓発書の思想は上記の著書から影響を受けているように感じます。上記3冊は内容すべてが素晴らしく、僕が一つずつピックアップする必要はなさそうです。読まれてない方は是非一読いかがでしょうか?
というわけで脇村の日常で役に立つ技術ー雑記ブログ記事、次回もよろしくお願い致します。
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