おすすめ本「もしアドラーが上司だったら」-名著


こんにちは脇村です。僕のブログでは、本業での実務上のEXCEL、ACCESSマクロ&VBAの使えそうなコードの紹介、コールドリーディングの実践例、電話占いでの現場、最近読んでいいなと思った本等について、主に発信していきたいと思っています。

今回、紹介したい本は、もしアドラーが上司だったら 小倉広(著)

古代を舞台にした哲学者と青年の対話だった、名著-嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え 岸見 一郎 (著), 古賀 史健 (著)より、圧倒的に実用性が高く、実生活に応用しやすいです。現代の会社を舞台にした上司と部下の物語です。コミカルで、とても分かりやすくアドラー心理学を説明してくれています。僕なりにp271ページ中、特に印象に残った箇所をピックアップさせてください。

p15アドラー心理学と文章を構成する二つのキーワード
アドラー心理学を一言で語ることは極めて困難ですが、「勇気」と「共同体感覚」の二つが中核概念を閉めることは疑いがないでしょう。 

p22できているところに注目する。できていないところは注目しない。
そう!リョウ君。君は今でさえ、こんなにも「できている」じゃないか!なぜ、ほんのわずかな「できていない」ことにばかり注目するのかね ?大切なことなので、もう一度言うよ。君はとっても「できている」じゃないか!君は、何と1週間のうち二日間も走ったんだぞ。それはすごいことだよ。だって君は半年前に走りはじめるまで、10年以上もジョギングなど一度もしたことがなかった、と言っていたよね。それが週に2日も早起きしてジョギングして。その上、きちんと仕事までこなしている。なぜ、その「出来ていること」に注目しないんだね?いいかい、リョウ君。人はね、「自分には能力がある。自分には価値がある」そう思えた時、つまり困難を克服する活力「勇気」で満たされると、放っておいても「もっと、もっと」と更なる優越を目指すんだ。決して「このあたりでやめておこう。現状維持でいいや」とはならないんだよ。例えば悪いが「豚もおだてりゃ木に登る」だ。綺麗な言葉を使うなら「ゾーン体験」や「フロー状態」と言ってもいいだろう。 リョウ君。アドラー心理学の「正の注目」は、「当たり前のこと」にも注目を与えるんだ。朝、会社に行く。歯を磨く。時間内に会社に着く。おはよう、と挨拶をする。素晴らしいことじゃないか。全て「出来ている」ことだらけだ。いいかい、リョウ君。人の行動の95%は「できている」行動だ。しかし、僕たちはたった95%の「できていない」行動ばかりに注目して、「できている」95%を無視してしまうんだ。それでは、エネルギーが湧くわけがない。やる気が起きなくて当然だ。いいか?「できているところ」だけに注目するんだ。「できていない」ところに注目するのをやめるんだ!それがリョウ君の宿題だ!分かったかい?

p42多角的に意味づけてみる。ポジティブな面に注目する。
そうか。「失敗」も「本当」だけど経験も本当だ。そして、そのどちらに注目を分け与えるかは僕が決めることができる。「失敗」に目をつぶるのではなく、「失敗」を見つめる時間を減らせばいい、その分「経験」という面に注目する時間を増やすんだ。その方がはるかにエネルギーが高まる。挽回するエネルギーが湧いてくる。人が困難という上り坂を登るには心のガソリンが必要だ。それはアドラー心理学では「勇気」と呼ぶ。困難を克服する活力、心のガソリンが勇気だ。もし、君が今回の件で「失敗」という面ばかりに注目をすればするほど、心のガソリン、勇気は減っていくだろう。その結果、君の挽回するエネルギーが奪われていく。しかし、君がきちんと「経験」という側面に注目を与えれば、心のガソリン、勇気は増えていく。つまり挽回するエネルギーが高まるに違いない。さあ君がしたいのはどっちだい?

p52無理やりポジティブに考えない。ネガティブな自分も、ただ見る
「リーダーたる者、言ってることとやってることが違ってはいけない」 ネガティブな感情を押し殺してはいけない。なかったことにしてはいけない。「否認」「抑圧」「歪曲」せず、きちんとありのまま、そのままに見る。自分に正直であることはとても重要なことなんだよ。「ああ、僕は今、不快だな」とか「腹が立っている。ムカついている」とか。それを見ないふりをしてはいけない。きちんと認めることが大切なんだ。「自己概念」と「自己体験」を一致させておく。これをカウンセリングの世界で「自己一致」と言って重要な要素だと考えるんだ。リョウ君。ネガティブな感情を押し殺してはいけないぞ。無理矢理ポジティブなふりをしてはいけないぞ。自分がネガティブであることを見る。認める。その上で、ポジティブの側面の方を長く見る。これが次の宿題だぞ。忘れるなよ!

p75「やりたくない」ならやめる。「やりたい」ならやる。「やらされている」と嘘をつかない 
アドラー心理学では「やりたいけどできない」を人生の嘘と呼ぶんだ。それは単に「やりたくない」だけだ。「痩せたいけど食べたい」んじゃない。単に「食べたい」んだ。人間はひとつだ。意識と無意識が葛藤することはない。これをアドラー心理学では「全体論」と呼ぶんだよ。君たちは葛藤していた「山盛りの仕事はしたくない」けれど「今の仕事は続けたい」なんていうのは葛藤じゃないんだ。「やりたくないからやらない」「今の仕事を続けたいから山盛りの仕事も片付けたい」そのどちらかなんだ。君たちはこれまでの人生も全て自分で決めてきた。今の仕事は会社を選んだのも自分。卒業した学校を選んだのも自分。自分の性格を作り上げてきたのも自分。

p81全て自分で決めたこと。全て自分で決められる
アドラー心理学の特徴的な考え方の一つに「自己決定性」というものがあります。問題の原因を他者や環境のせいにして自己正当化する事をアドラー心理学では認めません。全て自分が決めたこと。全て自分が決められる。そのように考えるのです。「過去は一切関係ない」のではなく、過去の原因は影響因として存在するかもしれない。しかし決定因は自己にある。そのように考えるのです。「今からでも自分で人生を変えていける」というアドラーの考えは、希望に満ちた温かな考え方であると私は感じます。育った家庭や遺伝に支配されて人生が決められてしまうという「決定論」の方がむしろ希望がなく悲しい考えだと私は思います。

p89「機能価値」と「存在価値」をごちゃ混ぜにしない。ありのままの自分を受け止める
ツヨシ君もキミも「人間として」は全く平等だ。優劣や上下はないんだよ。どちらもかけがえのない世界で唯一の素晴らしい存在なんだ! いいかい、リョウ君。君はね「機能価値」と「存在価値」をごちゃ混ぜにしてしまっているんだ。言葉を変えるなら「 doing (やり方)」と「 being (あり方)」と言ってもいい。君は「doing」が上手でなくて「機能価値」をうまく発揮できていないだけだ。でも、そんなものは経験と訓練と努力で、いかようにも変えることはできる。焦る必要なんかない。ましてや、自己否定する人なんか微塵もない。なのに、君はそれだけのことなのに、何と、君の大切な、大切な「 being 」つまりは「存在価値」までも否定してしまっている。「営業成績が悪い人は人間としてダメな存在、劣った存在だ」と自分で自分で人格まで否定してしまっているんだ。それは大きな間違いだ。君は、君でいい。君は今のままで素晴らしい。売れようが売れまいが、欠点があろうが関係ない。「 being 」として君の「存在価値」は何一つそんなくだらないことで傷つけてはならない。君は素晴らしいんだ。僕は君が大好きだよ!

p99機能価値と存在価値は別物
自らの「存在価値」を認めることができる人は、人間の土台がしっかりとしているので些細なことで揺らぎません。しかし、この基盤ができてない人は「機能価値」の高低に一喜一憂し、常に感情が揺らぎます。すると、ますます「機能価値」が発揮できなくなる悪循環に陥るのです。解決策はただ一つ。根拠なく自らの「存在価値」を認めることです。アドラー心理学では、欠点も含めたありのままの自分を認めることを「自己受容」と呼びます。それこそが、勇気を持つということなのです。「機能価値」に左右され揺らいだままでは、決して自分を勇気づけることはできません。

p105不完全な自分をそのまま抱きしめて、自己受容する
僕は自分の成績が悪いという「機能価値」の問題を「存在価値」と、ごちゃ混ぜにして、自分自身の人格までも否定してしまっていたこと。どんなに「機能価値」が低くてもそれは「存在価値」とは何の関係もないこと。「機能価値」と「存在価値」をごちゃ混ぜにして自己否定していると飢えた猿になる。認めてほしい、愛してほしい、と飢餓状態になる。すると、余計にうまくいかない。日頃から、自分を認め受け入れることで心にゆとりが生まれて、持てる力を発揮できるようになる。どんなことがあっても、自分の「存在価値」は揺らがない。そう思える方が「機能価値」までもうまくいくようになるんだ。「存在価値」を満たせば「機能価値」まで満たされるようになる。決して逆じゃない。売上を上げたり、会社からの評価をあげて「機能価値」を満たしてから「存在価値」を高めるんじゃない。そんなことはしなくても十分すでに「存在価値」があることに気づくことなんだ。君たち2人は何もしなくても十分素晴らしいんだよ!「機能価値」と「存在価値」をごちゃ混ぜにしている限り、心に平穏は訪れない。ピラミッドの頂上にいる人と下で支えている人は考えてごらん。一番下の人は上を見てジェラシーを感じて心が揺れ動く。でもね、一番しんどいのは一番上の人だ、とアドラーは指摘している。「下に落ちたくない。抜かれたらどうしよう。一番出なくなったら自分には価値がない」そう思って家を守ろうと、下の人より余計に心が揺れるのさ。人と比べる。つまり、上下、優劣で物事を考えている限り、永遠に心の平穏は訪れない。これはアドラー心理学では「縦の関係」と呼ぶんだ。そうではなく「横の関係」で考える。誰もが1人1人かけがえのない「存在価値」を持っている。そう考える方が物事はうまくいくんだよ。この言葉を覚えておくがいい。「自己肯定」ではなく「自己受容」。いいかい「自己肯定」と「自己受容」は違うんだ。「自己肯定」には理由が必要だ。そして多くの場合、その理由は「機能価値」から引っ張ってくる。売上ランキング上位という「機能価値」を発揮している。だから「自己肯定」する。つまり「自己肯定」とは条件付き肯定だ。だから売上ランキング上位から滑り落ちて条件がなくなってしまうと「自己肯定」ができなくなる。まさに「機能価値」と「存在価値」をごちゃ混ぜにしてしまう考え方、それが自己肯定という考え方だ。一方で「自己受容」に条件は不要だ。弱さや不足がある、不完全な自分をありのまま受け入れる。それが「自己受容」だ。「人間だもの。弱さもあるさ。できないこともあるさ。失敗もする。でも、そんな自分をそのまま抱きしめよう」そうやって、飾らず自分を受け入れる。それこそがつまり「存在価値」を認めるということに繋がるんだ。君たちに必要なのは「自己受容」だ。「不完全を認める勇気を持て」アドラー派のソフィー・ラザースフェルトの言葉だよ。 

p120自己肯定と自己受容
「存在価値」を認める、ということは、「不完全を認める勇気」すなわち、欠点も含めたありのままの自分を受け入れる「無条件の自己肯定」=「自己受容」がなくてはできないことがお分かりいただけたのではないでしょうか。 

p131毎日誰かを喜ばせる
勇気がない人は自分には存在価値がないと思っている。だから必死に機能価値を求めて競争する。勝利して他人から評価されなくては自分には価値がなくなると焦っているんだ。ピラミッドの頂点に立つ人が一番しんどい。一方で、勇気がある人は自分には存在価値があるとわかっている。だから機能価値がなくても自分は人から愛され、仲間が居て、居場所があると思っている。肩の力が抜けているんだ。だから、過度に競う必要がない。飢餓状態にはないから肩の力を抜いて仕事を楽しむ余裕がある。そして、協調ができるんだ。いいかい。このことをよく覚えておくといい。相手を勇気づける。すると、自分も勇気づけられるんだ。これはね、自分で自分を勇気づける以上に大きな勇気づけになるんだ。勇気とは困難を克服する活力だ。それはね「自分は相手に貢献でき、誰かの役に立つことができる。自分には価値があり、能力がある」そう思える状態だ。君が誰かを勇気づけている時。おそらく相手はこう思うだろう。「自分には能力があり、価値がある」そして表情がパッと明るく輝くだろう。相手を勇気づけた時、その瞬間に、実は君も勇気づけられているんだ。相手を勇気づけると自分も勇気づけられる。勇気が循環するんだよ。

p147相手からの見返りを求めずに、まずは自分から始める
「人の目ばかりを気にしている人は、自分のことしか考えていない人である」アドラーの言葉だよ。君は今日1日中ずっと人の目を気にしていたね。みんなの目だ。君は自分のことばかりを考えていたんだね。僕たちにとって誰かの役に立つ、つまり貢献することが最も大切だ。そして、貢献ができた時、僕たちは社会の中に居場所が見つかりやすらぎを感じる。アドラー心理学ではそれを「共同体感覚」という。つまり自分のことと同じように相手は共同体を大切にする感覚だ。それを育てることこそがまさに、僕が出した宿題「毎日誰かの役に立つ」ということさ。「共同体感覚」で大切なのは、一人相撲でいい。いや、むしろ独り相撲でなくてはだめなんだ。相手から褒められ、認められることを求めてはいけない。相手には相手の考え方がある。喜び感謝する人もいれば、余計なお世話と拒絶する人もいる。噴水のライトのように人それぞれ7色の光だ。全員から感謝されることなんて不可能なんだよ。もしも全員に喜ばれようとすれば、相手の顔色をうかがってばかりで、貢献なんて出来っこない。だからね。拒絶されても、バカにされても、無視されてもいいんだ。君が君なりの善意で「相手のため」と信じて行動したのであればそれでいいんだ。一人相撲でいいんだよ!「それは誰の課題か?」を明らかにして、自分の課題だけに集中する、他人の課題を解決しない。アドラー心理学ではそれを「課題の分離」と呼ぶんだ。他人の課題に踏み込むから対人関係がうまくいかない。そして、他人の課題を背負うから苦しくなる。できないことをやろうとするから苦しいんだ。君は君の課題だけを考えればいいんだよ。 誰かが始めなくてはならない。見返りがなく、認められなくても。誰かが始めなくてはならない。まずは、あなたから始めるのだ。アドラーはそんな風に語っているよ。僕はまさにその通りだと思う。だからね、君が始めるんだ。見返りがなくても。誰からも認められなくてもね。 誰かがやらなくてはならないけれど、誰もやろうとしないこと。それをやるのがリーダーだ。 

p160支配しない。服従しない。二つの課題の分離
アドラー心理学では対人関係の基本として「課題の分離」を大切にします。「それは誰の課題か?」という問いを大切にし、相手と自分の間に境界線を引きます。そして境界線を自分が踏み越えたり、相手に踏み越えさせたりしないようにするのです。本来、相手が決めるべき相手の課題に土足で踏み込むことを「支配」と呼びます。また、逆に本来は自分が決めるべき自分の課題に、相手を土足で踏み込ませ、それを許容するばかりか、言い分に従ってしまうことを「服従」と言います。また、自分に対する相手の反応や顔色を過剰なまでに気にしすぎて、本意ではない行動をとることもまた「服従」の一種といえるでしょう。アドラー心理学では「支配」も「服従」も共に望ましくない行動である、と考えます。

p180自分と異なる意見を攻撃とみなさない。相手と異なる意見を言うことを恐れない。
人と人の間には常に「返報性」が働くんだ。相手から優しくされたら「御恩返し」というポジティブな返報性が働く。しかし、相手から攻撃されたら「復讐」というネガティブな返報性が働く。まさに「相手の行動が自分の鏡」だ。だからこそ、たとえ自分とは違う意見であったとしても、それを尊重して「共感」する。それをユウ君は辛抱強く続けていたからこそ、二人の間に信頼関係が生まれ「対話」が成立したんだね。ユウ君は「自分と異なる意見を攻撃と見なさない」という原則を守っていたね。だから、自分と違う意見を恐れなかった。そしてもう一つの原則である「異なる意見をいうことを恐れない」もしっかり守っていたね。この二つの原則はまさに「課題の分離」の応用そのものだ。君も是非身につけるべき考え方であり、話し方だ。それを具体的に体系化したのが、君が整理してくれた①共感②提案という順番だ。僕が教えるまでもなく、君は自分で理解できるようになったんだね。君は君のその感性で進んで行けばいい。いいかい。自分を信じるんだ。もう、他人の意見に惑わされてはいけないよ。君の中にある良心を信じるんだ。

p207目先の共同体よりも、もっと大きな共同体を大切にする
目先の共同体よりも、もっと大きな共同体を大切にする

p208より大きな経堂店の利益を優先する
企業や学校、地域社会などの組織に所属して目標を達成を追求していると「果たして組織の判断は正しいのだろうか?」と疑わしく思う事があるでしょう。そんな時こそ、本章の教え「より大きな共同体の利益を優先する」が役に立つでしょう。もしも自分が所属する組織にとって利益となるけれど、より大きな社会全般にとって迷惑をかけてしまうのだとすれば。後者を優先した判断をすることが幸福な人生を歩むことに繋がるでしょう。同様に、転職することでお世話になった会社に迷惑をかけてしまうとしても、次の会社で現在以上の能力を発揮し、社会の役に立つのであれば、そちらを優先することこそが良い判断になるでしょう。アドラー心理学では、自分が下した判断に対して責任をとることが求められます。

p213社会のルールは信用で動くが淡々とこなす。しかし、対人関係は裏切られても信頼する
そう。 ドラさんに教えてもらった「自己一致」だ。否認、抑圧、歪曲しない。自分の気持ちに嘘をつかない。けれど、行動は自分の意志で選択し、自分の決断に責任を負う。そんなことも自然にできるようになっている自分に気がついた。 「不完全な自分をありのまま認める勇気」自己受容ができるようになってからは、出来るだけ自分に正直でいたいと思っているからだ。 リョウ君。いいかい。信頼とは無条件で相手を信じることを言うんだよ。相手が失敗しようが、嘘をつこうが、裏切ろうが、それでも相手を信じることを信頼と呼ぶんだ。裏切られても、裏切られても、裏切られても信じる。約束を破られても、実績がなくても、信じる。この信頼があるからこそ、人と人は強い絆で結ばれるんだ。相手が失敗したり、約束を破る度に相手を疑ったり、信じるのをやめるのでは、信頼とは呼べないんだ。君の母さんはきっと君を信頼している。そして僕も君を信頼している。これまでもこれからも君を信頼しているよ。でもね会社が違うんだよ。ドラさんはこれまでと声のトーンを変えて、厳しく、短く切った。会社は無条件に人を信じる信頼なんかで動きはしないんだ。会社は常に条件付きの信用で動く。なぜならビジネス社会は信用が前提だからだよ。信用は常にエビデンスを求める。例えば銀行は担保がなければ金を貸さない。そして取引実績がなければ取引しない。クレジットカード会社は支払いが遅れた人、つまり支払い実績がない人をブラックリストに載せて、カードを追加発行しない。つまり、実績は担保を常に見る。それを満たさなければ取引しない。それがビジネス社会の常識なんだ。それは僕たちが勤める会社だって同じことだ。会社は信頼ではなく信用で動く。実績が無ければ評価しない。目標達成という約束を破った人の評価が下がるんだ。ドラさんは僕を無条件に信頼してくれている。それは今回の話でよく分かった。今まで以上に強い確信に変わった。しかし、一方で、会社が常に条件付きの信用で動く、ということも分かった。ドラさんの話はとても筋が通っている。銀行や会社が無条件に信頼で動いたら大変なことになる。うちの会社だって潰れてしまうかもしれない。だからエビデンスをもとにして信用で動かざるを得ないのもよくわかった。リョウ君。会社で働く時にはね。信頼と信用という異なる二つの考え方は両方を併用しなければならないんだよ。信用システムと信頼システムは、いつも一緒なんだ。僕は課長という人格で部下という人格の君を信用システムで判断する。君の機能価値を冷静に実績は担保で判断するよ。会社という信用システムを回すんだ。でもね。一人の人間としては、僕は君を無条件で信頼するよ。課長ではなく一人の人間として僕はリョウ君を無条件に信じる。君は素敵だよ。君には無限の可能性がある。その可能性を心の底から100%信じているよ。課長であるドラさんは信用システムを回して淡々と僕に対処する。実績で僕の機能価値を判断して僕を人事的に冷静に処遇する。しかし、一人の人間ドラさんは僕の存在価値を心の底から無条件に信頼する。

p234人に優しく、仕事に厳しく
「信用」とは「相手の担保実績という条件をもとに信じるかどうか判断すること」だとわかります。そして「信頼」はその逆に「相手の担保や実績に関わらず、無条件に相手を信じること」だと分かるでしょう。では、私たちが勤める企業組織において「信用」と「信頼」のどちらが働いているのでしょうか?いや働かせるべきでしょうか?企業では両方が必要となります。もしも「信用」一本で行くとすればそれは「人に厳しく、仕事に厳しい」軍隊のような組織となり対人関係は希薄となるでしょう。しかしその逆も問題です。「人に優しく、仕事には甘い」組織は単なる仲良し集団で顧客満足には程遠く経営からも見放されるでしょう。正解はドラさんが語る通り「人に優しく、仕事に厳しく」つまり、会社という人格で「信用システム」を淡々と回し、一対一の人間として「信頼システム」を回す。その両立が求められるのです。

p255相手を信じ、自分を信じて、頼る、甘える、任せる
相手を信じ、自分を信じて、頼る、甘える、任せる

p256共同体感覚と勇気づけの交差点。任せる
任せられない上司は部下を信頼できず、自分を信頼できていません。任せることで失敗し、且つ自分が怠け者だと糾弾されるのではないか、と恐れるのです。逆に、任せられる上司とは、部下を信頼し、自分を信頼することができる上司です。「任せる」ことは勇気づけそのものであり、共同体感覚の発揮そのものです。二つの交差点に「任せる」があるわけです。

p259エピローグ
人は誰でも変わることができる。僕はそれを一人でも多くの人に伝えたいと思う。自分を勇気づけ、次に他人を勇気づける。そして、共同体感覚を持ち、行動する。そうすれば誰だって幸せになることができる。アドラーの言うところの「有益な人」に生まれ変わることができるのだ。

いかがだったでしょうか?以上、読めてよかったと思うところを抜粋してみました。この本で身につかなったら無理だろって言うくらいアドラー心理学を詳しく説明してくれています。名著-嫌われる勇気をより分かりやすく、本当に必要なところだけを抜き出してくれているようにも感じました。本書は、僕の見解で名著とさせていただきます。

まとめると、できているところに注目する。できていないところは注目しない。「失敗」という面ばかりに注目をすればするほど、心のガソリン、勇気は減っていくだろう。その結果、君の挽回するエネルギーが奪われていく。しかし、きちんと「経験」という側面に注目を与えれば、心のガソリン、勇気は増えていく。つまり挽回するエネルギーが高まるに違いない。無理やりポジティブに考えない。ネガティブな自分も、ただ見る。「存在価値」を認める、ということは、「不完全を認める勇気」すなわち、欠点も含めたありのままの自分を受け入れる「無条件の自己肯定」=「自己受容」。アドラー心理学では対人関係の基本として「課題の分離」を大切にします。「それは誰の課題か?」という問いを大切にし、相手と自分の間に境界線を引きます。そして境界線を自分が踏み越えたり、相手に踏み越えさせたりしないようにするのです。という風にしました。

個人的に本書で一番読めてよかったと思う部分は、「やりたくない」ならやめる。「やりたい」ならやる。「やらされている」と嘘をつかない。不完全な自分をそのまま抱きしめて、自己受容する。アドラーの言葉「人の目ばかりを気にしている人は、自分のことしか考えていない人である」僕たちにとって誰かの役に立つ、つまり貢献することが最も大切だ。そして、貢献ができた時、僕たちは社会の中に居場所が見つかりやすらぎを感じる。アドラー心理学ではそれを「共同体感覚」という。目先の共同体よりも、もっと大きな共同体を大切にする。「信用」とは「相手の担保実績という条件をもとに信じるかどうか判断すること」だとわかります。そして「信頼」はその逆に「相手の担保や実績に関わらず、無条件に相手を信じること」だと分かるでしょう。では、私たちが勤める企業組織において「信用」と「信頼」のどちらが働いているのでしょうか?いや働かせるべきでしょうか?企業では両方が必要となります。もしも「信用」一本で行くとすればそれは「人に厳しく、仕事に厳しい」軍隊のような組織となり対人関係は希薄となるでしょう。しかしその逆も問題です。「人に優しく、仕事には甘い」組織は単なる仲良し集団で顧客満足には程遠く経営からも見放されるでしょう。正解はドラさんが語る通り「人に優しく、仕事に厳しく」つまり、会社という人格で「信用システム」を淡々と回し、一対一の人間として「信頼システム」を回す。その両立が求められるのです。そして相手を信じ、自分を信じて、頼る、甘える、任せる。というところでした。

以上、もしアドラーが上司だったら 小倉広(著)について取り上げてみました。

ちなみに名著と言えば
嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え 岸見 一郎 (著), 古賀 史健 (著)
完訳 7つの習慣 人格主義の回復(新書サイズ) 新書 スティーブン・R・コヴィー 、 フランクリン・コヴィー・ジャパン
人を動かす 文庫版 D・カーネギー  (著), 山口 博 (翻訳) 

自己啓発書は時間がないなら、この3つを読めばおよそは補完できると言われています。ほとんどの自己啓発書の思想は上記の著書から影響を受けているように感じます。上記3冊は内容すべてが素晴らしく、僕が一つずつピックアップする必要はなさそうです。読まれてない方は是非一読いかがでしょうか?

というわけで脇村の日常で役に立つ技術ー雑記ブログ記事、次回もよろしくお願い致します。


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