おすすめ本「部下の心が動くのはどっち? 結果を出すリーダーの選択」


こんにちは脇村です。僕のブログでは、本業での実務上のEXCEL、ACCESSマクロ&VBAの使えそうなコードの紹介、コールドリーディングの実践例、日常のつぶやき、今の時代を生き抜くために-脇村、最近読んでいいなと思った本等について、主に発信していきたいと思っています。

今回、紹介したい本は、部下の心が動くのはどっち? 結果を出すリーダーの選択 上田比呂志 (著)です。

本書は、リーダーとはどう在るべきかを具体的に提示している良書です。僕なりにp199ページ中、特に印象に残った箇所をピックアップさせてください。

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p16リーダーとは何か本質を理解することは大切!
リーダーはまず部下たちを深く知り、お互いのコミュニケーションを高めていくこと。チームとしての目標をしっかりと定め、それを部下が行動しやすいように伝えていくこと。一人ひとりのスキルやモチベーションを高めていく事が必要です。と言っても、その具体的な方法は様々です。世の中にはいろいろなタイプのリーダーがいて、これだけが正解というのはありません。優れたリーダーの中には、カリスマ性のある人や饒舌な人もいれば、普段もそれほど目立たない人や寡黙な人もいます。たとえ口数の少ない人でも、自分なりの方法でメッセージを適切に伝えて部下からの信頼を集め、部下が自ら目標に向かって邁進するよう促しているのであれば、それも立派なリーダーのあり方です。 

p17リーダーになったということは、資質を期待されたということ
リーダーに選ばれたということは、上司から資質や潜在的な成長性を認められ、期待されたということです。最近は、できればリーダーなんてやりたくないと考えている人も少なくないようです。確かに仕事の規模も大きくなり、責任も重くなりますが、自分一人では絶対得られないような大きな経験や喜び、達成感を得られるのはリーダーの醍醐味です。今まで知り得なかった、自分自身の可能性を知ることができ、それが自信と成長につながっていきます。大きな成果はチームで生まれます。「自信」とは自分を信じること。躊躇せず、ぜひ自信を持ってリーダーの仕事に取り組んで欲しいと思います。

p20部下に興味を持つ
昔のビジネスパーソンは誰もが同じような境遇に育ち、会社に対する帰属意識が強いなど考え方も似ていたので、一人ひとりの部下の個性をそれほど意識せず、トップダウン型で部下を従わせるリーダーが大半でした。しかし最近の若い世代は、人材の多様化が進んでいます。リーダーは今まで以上に、部下に寄り添うべきです。ビジネスだからといって、リーダーが理論を押し付け、指示・命令するだけでは人は動きません。「彼らの能力や可能性をどう活かして行こうか」と、常に前向きに考えていくことがリーダーにとって大切なことです。

p23リーダーとしての人間力を磨く
リーダーになっただけでも、ある程度人を動かす力を持てるようになります。それは「役職の力」と言うべきものです。一昔前のリーダーは、役職の力をフル活用して部下を動かすこともよくありましたし、それに従う部下も多かったのです。しかし今は理不尽な上司がいても、部下がそのご機嫌をとって要領よく振る舞おうとするような時代でありません。尊敬できない上司の言うことなど聞かないし、すぐに辞めてしまうでしょう。リーダーは「信頼の力」を使って人を動かすべきです。全く同じ事を指示されても、Aさんの言うことは聞くが、B さんの言うことは聞かないということはよくあります。この差は部下と信頼関係を築けているかどうかです。もちろん一朝一夕には築けません。日頃、部下たちとどれだけきめ細かいコミュニケーションができているか、上司として尊敬されるような行動や発言ができているかが、リーダーの「信頼の力」を左右します。信頼関係さえ築けていれば、時に厳しく指導したりシビアな評価を下しても、部下は従ってくれるものです。部下がなかなか期待通り動いてくれないという人は、実は自分の考え方や行動に原因があるのかもしれません。自分の事をコントロールできなければ、部下を統率することなどできませんし、信頼は得られません。日頃から気をつけたいものです。

p24部下はリーダーを見る、見抜く
あなた自身が尊敬している上司、ついていきたいと思った上司は、どんな行動をしていたか思い出してみてください。いつも気軽に声をかけてくれた人。あまり目立たない自分の良さを認めて高く評価してくれた人。仕事を任せてくれた人。責任感の強い人。皆さんの上司達も部下に信頼されるよう、たくさんの努力をしてきたのでしょう。反対に、部下に感情をぶつける、愚痴を頻繁に言う、目上の人と目下の人とで対応を変える・・・こういう上司は信頼されませんね。あなた自身がそういう上司になっていないでしょうか。自分が無意識でやっていることは気づきにくいものですが、部下は上司のことを意外なほどよく見ています。そしてリーダーとしてのあなたの良い点も悪い点も、部下は見抜くものです。「良いリーダーになろう」などと気負っても、その狙いは部下から見透かされてしまいます。リーダーになると、行動や言動が与える影響力は格段に大きくなりますし、今までとは違う目で周囲から見られるようになります。自分の行動や言動の持つ重みを実感することになるでしょう。是非リーダーになったことを契機に、ビジネスパーソンとしての自分、さらには人間としての自分を磨くことを意識しましょう。リーダーになったら、意識の転換を図るべきです。そのことも覚えておいてください。

p27「仕事に対するプライド」を部下に押し付けない
仕事ができる上司とできない上司がいたら、部下は当然仕事ができる上司に従おうとするでしょう。仕事の能力の高さやそれまでの実績も、リーダーが部下を動かす力になります。仕事で多くの実績を積んでおけば、自分がリーダーとなった時に自信を持って部下を指導できます。それ自体はとても好ましいことです。しかし注意したいのは、仕事ができる人ほど自分のものさしで部下を評価・判断し、「あいつはダメだよな」「全然わかってない」などと言いがちだということです。部下によって能力も性格も成長段階も違うはず。仕事に自信やプライドを持つことは大事ですが、それを部下に押し付けるべきでありません。仕事ができない部下や話がうまく伝わらない部下に出会うことはしばしばあります。それは、自分基準の感覚で「あいつはダメだ」と判断しているだけかもしれません。なぜできないのか、伝わらないのか、相手の立場や気持ちに寄り添って冷静に見ていくと、実は本人ではなくリーダーの接し方に問題があった、ということも多いのです。大事なのは、立場が違っても意識の目線を相手に合わせること。そして相手の考えを尊重し、自分基準ではなく相手基準で考えることです。「部下が上司に合わせるべきだ」と考える人も多いですが、私は違うと思います。知識や経験もあり、相応の高いポジションと給与を与えられている上司こそ、部下に合わせていくべきです。実際には、立場が変わって「リーダー」や「主任」、「課長」といった肩書きを得ると、どうしてもそのポジションで物事を見るようになり、かつて部下だった頃の気持ちを忘れがちになります。そのため、部下と意識の目線を合わせるのは思いのほか難しいものです。日頃から「自分は上から目線になっていないか」と、振り返ることが大切です。ディスコミュニケーションの原因は、リーダー自身の目線や心の底にあるということを是非肝に銘じてください。

p29部下から学ぶ姿勢も大切
何でも自分でやろうとするのも、仕事に自信のあるリーダーにありがちです。リーダーは自分で動くのではなく、部下が能力を発揮できるように働きかけていくのが仕事です。部下に任せるべき仕事まで自分がやってしまっては、部下は育ちませんし、「自分は頼りにされていないんだ」と感じ、部下のモチベーションを下げてしまいます。部下の意見を積極的に聞いたり、部下から学んだりする姿勢も大切です。

p35日常の中で、良い言葉をストックしていく
「言霊」という日本語があります。言葉の中に、人知を超えた超自然的な力が宿っているという意味です。私は、言葉には単なる「意味」を超えた神聖な力が確かに備わっていると思っています。部下を深く知ること。チームの目的や目標を伝えること、意思決定をすること。部下のスキルやモチベーションを高めること。リーダーの仕事のほとんどは、言葉に関係しています。リーダーは言葉の持つ力を深く意識すべきです。何気ない「ありがとう」という言葉が部下のモチベーションを劇的に高めることもありますし、うっかり独り言のように発してしまった愚痴や誹謗の言葉が、部下からの信頼を決定的に揺るがしてしまうこともあるのです。言葉一つが、人を活かしもするし、傷つけもする。このことはぜひ深く認識しておくべきです。リーダーとして、言葉の力を磨いておくことも大切です。

p40たまにはリーダーが部下を頼っても良い
プレッシャーやストレスを無駄に背負わないためにも、部下を積極的に頼ったり、相談したりすることは大切です。「リーダーは部下を頼るべきではない」と考えているとすれば、それは間違いです。リーダーに頼られることで、むしろ部下たちのモチベーションは上がるもの。あなた自身もかつての上司に頼られたとき、嬉しく感じたのではないでしょうか。部下を頼り仕事を任せることは、結果的に部下の主体性を引き出し、成長を促すことになります。リーダーも精神的に楽になるはずです。むやみに頼るのではなく、部下の資質を見抜き、リーダーである自分の足りない部分を補ってくれる部下を頼るようにしましょう。頼られた部下としても、リーダーがそれだけ自分をよく見て評価していることがわかり、嬉しいものです。もちろん、リーダーが部下をずっと頼りっぱなしでは成長がありません。頼ることを通じて、自分を支えてくれる部下から学び、それを成長の機会とすることが大切です。

p44若い世代から学ぶ姿勢を忘れない
自分にはない若い世代の新しい発想やユニークな価値観を、できるだけ吸収するよう心がけるべきです。果たしてこれから時代はどこに向かうのか?若い世代の視点を学ぶことは、時代の方向性を読み解くヒントを得ることにもなるからです。もう一つ意識しておきたいのは、自分の成長の度合いや能力のレベル感を、自社内だけで考えず客観的に捉えることです。会社の中で出世して肩書きを得ていくほど、その地位に安心してしまって学ぶ姿勢を怠っていくもの。肩書きは得たが、自分のビジネスパーソンとしての能力は、業界全体で見たらどの程度なのか。他社に勤めている同年代の人たちと比べて、自分の能力は高いのか低いのか。仮に出世したとしても、このように視点を広く持つことで学ぶ姿勢を継続できるはずです。常に人から学び、知識や経験を積み重ねることを当たり前の習慣にする。小さな努力でも長く継続していくことで、結果的に周囲から良いリーダーと思われるようになるのです。

p52「考える時間」を業務の一つとして確保する
リーダーが「考える時間」を確保することには、チームとしての戦略を練ったり、部下の育成計画を立てたりするためだけでなく、いくつかの意義があります。一つは、言わば「リーダーの視点」を忘れないためです。多くのリーダーは、プレイングマネージャーのような立場で現場の仕事もしなくてはならないことが多いでしょう。リーダーとして現場を常に見ることや、仕事の姿勢を部下に見せることは重要です。しかしリーダーは単なるプレイヤーになっては駄目です。リーダーは俯瞰した視点を持ち、チーム全体の業務の進度や課題などを把握する必要があります。

p55意識のアンテナを立てて、部下の心を察知する
リーダーに求められる能力の大半はコミュニケーションに関係するものです。特に私は、相手の能力や性格、考え方をいち早く察知する感性の高さが非常に大切だと考えています。では、感性はどのように磨いたら良いのか。それは常に「意識のアンテナを立てておくこと」に尽きます。部下と話す時にも、常に会話の内容以外の部分を感じ取ろうと、意識のアンテナを立てておくのです。部下との一対一の面談においては、質問する内容以外に、何を感じ取りたいかをメモしておくといいでしょう。仕事に対する考え方や価値観。上司と会話する時の態度。現在の仕事に不満を感じていないか、他のメンバーとの関係はうまくいってるか、など。事前に意識しておくだけで多くの情報が得られ、部下を深く知ることができます。普段から続けておくと、ちょっとした雑談の中でも部下の心の動きを感じられるようになります。仕事上の大きなトラブルやメンタル不調の予兆を察知出来ることも少なくありません。

p63日常の声がけで良好な人間関係を築くことが第一歩
リーダーの仕事の大半は「コミュニケーション」に関することです。部下のことをよく知る。チーム内の情報伝達を円滑にする。ビジョンや目標を掲げて共有する。目標を達成するためにチームメンバーで意見を出し合う・・・。これらを主導していくのがリーダーの大きな役割です。多くの言葉を用いて話し合い、コミュニケーションの密度を濃くし、良好な人間関係を築くことは、チームの力を向上させていく第一歩です。

p65部下にとって身近で相談しやすい上司であるべき
”理解ある上司”のつもりでいる人に限って、普段の声がけや何気ない会話を軽視しているものです。皆さんが目指すのは、近寄りがたい上司ではなく、部下にとって身近で相談しやすい上司であるべきです。

p69「攻撃タイプ」と「守備タイプ」のバランスに注意
自分とは違った能力や資質を持つ社員に目を向け、彼らに活躍させるのが強いチームをつくるポイント。そのためにも、日頃から部下たちをよく見ることが大切です。

p73「働くことの意義」を語るのもリーダーの仕事
またリーダーになると、経営層が同席するような重要な会議にも適宜参加して、この会社がどういう考えやビジョンで、どんな事業展開を今後進めようとしているのかをいち早く知るようになります。こうした情報も部下にどんどん提供していくべきです。この時、単に上層部の会議で出た話題をそのまま伝えるのではなく、自分なりに咀嚼し、リーダー自身の言葉に置き換え、部下たちに分かりやすく伝えるよう留意しましょう。「働くことの意義」をしっかりと語ってあげることも大切です。特に大きな組織で働いていると、管理職も含め、社員は全体の歯車の一つになりがちで、自分の目の前の仕事が、企業の経営全体にとってどんな役割を果たし、社会に対してどのように貢献しているのか、見えにくいものです。社員のモチベーションを大きく左右するのは、給与の高低や労働時間の長短だけではなく、働きがいや自分の価値をどれだけ認識できるかです。自分のやっている仕事が会社にとってどんな役割を果たしているのか、明確に伝えるのもリーダーの役割です。

p75リーダーは「話す」より「語る」
ビジネスパーソンの重要な資質の一つに「物事を論理的に理解・整理し、順序を立てて伝える能力」があります。リーダーが部下にわかりやすくメッセージを伝える上で欠かせません。しかしリーダーは、論理の力を磨くだけでは不十分です。リーダーは自分が発したメッセージが、部下たちの「心」や「感情」にどれだけ影響を与えているのか、意識すべきです。リーダーは「話す」より「語る」が大事だと私は常々言っています。一見似ていますが、「話す」は単に口頭で情報を伝達すること。「語る」は相手の感情に訴えかけ、より深く納得できるように物事の背景や意味までを伝え、心の中に落とし込むことです。どんなに論理的に順序立てて話しても、単に情報を伝えるだけでは、人は意外なほどすぐ忘れてしまいます。日常の仕事を支持するようなシンプルな情報伝達の場でも、「語る」を意識することが大切です。

p77聞き上手だけではリーダーは務まらない
リーダーは話し上手であるべきか、聞き上手であるべきか・・・。最近は、ワンマンタイプで部下を強引に引っ張っていく「支配型リーダー」よりも、部下が力を発揮するのを支援する「サーバントリーダー(奉仕型リーダー)」の方が日本でも人気です。また、対話を通じて本人の主体的な意識や行動を導く「コーチング」の考え方も広く知られるようになりました。それもあってか、「今時のリーダーは聞き上手であるべき」と考える読者が多いのではないでしょうか。しかし当たり前ですが、実際には「聞くこと」と「語ること」、どちらもリーダーにとって不可欠です。そしてより重要なのは、部下の性質や資質、心理的状況などを汲み取って、「聞くこと」と「語ること」を適切に使い分けることです。

p81丁寧に教えすぎるのも NG
コミュニケーションを深めるのは良いことですが、全てを教えてしまったら部下の主体性が育ちません。部下が自分で考えたくなるような問いを投げかけていくことも大切です。つまりリーダーは適切に考えさせる質問力を磨いておくことが求められます。「質問」には二種類があります。一つは「知らないことを聞くための質問」、もう一つは「本人に気づかせ、考えさせるための質問」です。リーダーは特に後者の質問を意識的に投げかける必要があります。何をどう問いかけたら部下は主体的に考えてくれるのか。常に先回りして考えるようにしましょう。

p95従わせるのではなく、最も力を発揮できる接し方を考える
私も何度も経験しましたが、リーダーになると自分より年長の先輩社員が部下になるケースが少なくありません。あくまで組織ですから、「年齢に関係なく、上司・部下として接すれば良い」というのが建前ですが、実際には関係性における感情面の影響は大きく、やりづらいものです。そもそも相手が年上であろうが年下であろうが、リーダーの仕事は部下を従わせることではなく、部下の力を最大限に発揮できるように促すことです。リーダーの考えを無理に押し付けるべきではありませんし、変にへりくだる必要もありません。どのように接するとその部下が最も心地よく仕事をしてくれるか、力を発揮してくれそうか考えましょう。私が一番大切にしていたのは、自分より長く人生を生きてきた人、長くビジネスの世界で活躍してきた人への畏敬の念を持って接すること。相手への尊敬の気持ちを忘れずに接すれば、それもちゃんと伝わるものです。

p96第三者を介して接する方法も有効
もちろん年齢に限らず、なかなか感情的に相容れない部下はいるものです。人間ですから、全ての人と仲良くとはいきません。我が強い人、感情的になりがちな人、とにかく言うことを聞かない人、色々です。それが年上となれば、なおさらです。自分が苦手だなと思う部下がいたら、その人物と仲の良い第三者を見つけて、話してみるのも良い方法です。自分では気づかないその人の良さが分かるかもしれません。直接本人に言うのが難しい場合に、第三者を介して伝えてもらう方法も有効です。それでもチーム運営に支障をきたすような部下がいた場合、たとえ年上であっても、時には本気で叱ることも必要です。その場合も、個人の人格や能力を否定したりするような言い方はNG です。あくまで「会社の目的に合致しない」「お客様からの信頼を失わせる」といった大義のために対応望むということ、それに応じないのであれば上層部と相談してそれなりの対応をも辞さないことをはっきりと伝えます。横暴には言わないが、決意と気迫を見せる、という感じでしょうか。そこまで毅然とした対応をすれば、どんなに扱いにくい部下でも、大抵は心を改めるものです。一番よくないのは、下手にへりくだった接し方を続けたり、コミュニケーション自体を敬遠してしまうことです。これらができなければ、年上の部下を持つ上司にはずっとなれません。リーダーとして成長するための大切な契機だと考えて、ぜひ前向きに取り組みましょう。

p101女性の上司も「気負いすぎない」が重要
男性の部下と女性の部下で、接し方は変えるべきです。相手が異性の場合、コミュニケーションの質をできるだけ重視。ちょっとした行き違いが、信頼関係の妨げに繋がるからです。

p109日常業務をビジョンに結びつけて語るべき
メンバーの行動を促し、チームを機能させるために「ビジョン」と「目標」のどちらも重要なのは言うまでもありません。しかし日本の場合、目標は掲げても、部下の「 why?」 に答えるようなビジョンを伝えられないリーダーが多いように思います。「部下が思うように動いてくれない」と悩む人がよくいますが、それはビジョンを伝えられていないことが要因の一つです。特に最近の若い世代には、報酬や人事評価などだけでなく、「自分はなぜ働くのか?」という意義は動機づけをより重視する人々が増えています。人を動かすために最も大切な要素が、「感情」に寄り添うことだと言いました。それと並んで重んじるべきなのが「ビジョン」です。リーダーである皆さんは、ビジョンの大切さを改めて認識してください。

p111ビジョン作成においても「感情」は重要
部下の疑問や悩みに答え、働く動機づけを与えるようなビジョンを掲げること。これは言い換えれば、部下たちが前向きに働けるように「心のスイッチ」を入れてあげるということです。まず経営陣の打ち出すビジョンに興味を持つことから始めましょう。ビジョンはしばしば抽象的な言葉で語られています。それを自分なりに解釈し、理解していく。部下に共感してもらうためには、独りよがりにならず、部下にとって魅力的にビジョンを語ることも重要です。なかなか最初は難しいものです。経営ビジョンをどう理解し、それをいかに部下に伝えるか。他のリーダーや上司との間でビジョンについて語り合う場を持つのはよい方法です。

p117目標は不可能を可能にする力がある
目標設定には、「モチベーションを高める力」や「能力を伸ばす力」があります。あえて高い目標を掲げることで人は成長しますし、チャレンジ精神が刺激され、その結果として不可能と思われたことも実現できるようになるのが人間です。ビジネスにおける目標設定も同様です。目標設定は、チームとメンバーの「行動」と「成長」を促すものであるべきです。部下やチームにとってチャレンジングな目標を掲げ、それを実現できたという成功体験を味わわせてあげる。これもリーダーの大事な役割です。

p119優れたリーダーは任せ上手
チームとしてのビジョンや目標が定まったら、具体的に仕事を任せる段階に入ります。部下のモチベーションを引き出し、成長を促すために重要なのが、できるだけ思い切って仕事を任せることです。優れたリーダーは任せ上手であり、それによってチーム全体のパフォーマンスを最大限に引き出しています。任せて、小さな成功体験を積ませることで、部下は自分に自信を持てるようになります。自信とは文字通り自らを信じることです。自信を持つことで、人はより前向きに考え行動できるようになり、一層自分の能力を発揮し、成果も上げやすくなります。部下に自信をつけさせるのもリーダーの大事な仕事です。仕事を任せるときには、「思い切ってやらしてみよう!」という覚悟を持つことが必要です。実際には任せるのが苦手なリーダーも少なくありません。あれこれ考えて躊躇してしまうことが多い。成長を待つのではなく、任せることで成長させるという発想を持つべきです。

p123実力の「半歩上」の仕事で、成長努力を続けさせる
能力には違いがありますから、どうしても一部の”デキる社員”に仕事が集中しがちです。バランスを考えずに仕事を任せるリーダーもいますが、任される仕事量が多い社員にも少ない社員にも不満や不信感が生まれ、チーム内をギクシャクさせてしまいます。だからといって、仕事量を人数で等分して任せるようなやり方だと、成果にばらつきが出ますし、部下の成長を促せません。やや抽象的な言い方になりますが、メンバーそれぞれが自分の能力よりも少し上の仕事、少し頑張れば達成できるぐらいのレベルの仕事をやっている状態が理想です。”一歩”上ではなく””半歩”上でいいから、自分の実力より上の仕事を常に目指しなさいとよく言っています。成長努力を持続することが大切だからです。メンバー全員が、常に実力の「半歩上」の仕事をこなし続けることができれば、半年後、1年後には相当な成長を遂げているはずです。

p123指示は細かく出し過ぎない。指示した後のフォローを丁寧に
最近の傾向として、仕事を丁寧に教えすぎることで失敗しているリーダーが増えている気がします。入社したばかりの新人社員はともかく、部下には原則として、仕事のやり方を自分で考えさせるようにすべきです。ただし、これは「部下に仕事を丸投げすること」とは違います。部下に考えさせた上で、リーダーはそれを上手にフォローしていくことが重要です。

p139モチベーションは日々の変動が激しい
優れたビジネススキルを持つことと、高いモチベーションで仕事に取り組むこと。ビジネスパーソンにとって当然どちらも大切です。ただこの二つは性質が全く違います。一度身につけたビジネススキルは、突然失われることはありません。しかしモチベーションには日々変動があります。どんな優秀な社員でも、同じ仕事を単調に繰り返していればマンネリ感が生まれ、モチベーションは下がります。その意味でリーダーは、部下たちのモチベーション維持を常に意識する必要があります。変動しやすいモチベーションを高く維持しておくことは、チームの成果を高めることに繋がります。

p143良いところ伸ばす発想がチームの多様性を育む
部下の成長のスピードはまちまちです。何でもできて自ら成長していく部下もいれば、要領を得ない部下もいるでしょう。後者のような部下を育成する際に、まず良い所を伸ばすべきか、あるいは苦手なことを克服させるべきか悩む方は多いと思います。結論から言えば、是非「良い所を伸ばす」に注力すべきです。平均に足りない資質や能力を伸ばすさせようと考えがちで、 画一的な人材育成が有効だった時代もありますが、これからは全ての科目で平均点をとるような人材よりも、一つの科目で突出して高い成績をとるような人材が求められる時代。部下一人ひとりの個性を大事にして、多様性を活かす発想が必要です。その意味でも、苦手なところを克服するよりも良い所を伸ばしていく方がはるかに重要です。そもそも、苦手なことを克服させるには時間がかかります。成果がなかなか見えないので、本人もなかなか前向きな気持ちになれないものです。むしろ、その部下の良いところ、得意なことを見つけて、それをより伸ばせるような仕事をどんどん任せて、さらなる成長を促すことを意識すべきです。成功体験を多く積むことで、仕事全体に対する前向きな気持ちが生まれます。それに一芸に秀でた人は、他の事も平均以上のレベルでできるようになるもの。得意分野で高い能力を身につけると、苦手だった分野にもそれを応用しようと考えるようになるからです。ただし、「悪いところではなく良いところに注目すべき」と理屈では分かっても、実際には部下の欠点や苦手なことの方が目につきやすいもの。部下の良い所を伸ばすには、まずリーダーが部下の良いところを見つけてあげる必要があります。これは日頃から意識して部下の仕事ぶりを見ていないとできません。「部下をよく見る」は、適切な育成のためにも欠かせないことです。

p149「適切な相談」が主体性を導く
相談とは事実を報告するのではなく、自分の考えや意見を加えて掘り下げ、それでも判断がつかないことについて意見を仰ぐことを言います。適切な相談をするには、物事を受け身ではなく、主体的に考えるトレーニングが必要です。考えを促すような質問を投げかけ、部下の「相談」の質を高めていくことは、彼らの仕事に対する姿勢や行動を変えていくことに繋がります。

p152「リーダーはオールマイティーであるべき」という思い込みは捨てる
さて、こうした部下の日常業務に関する指導をリーダーが全てやるべきでしょうか。リーダーは、あらゆる作業オールマイティーでこなせないとだめだと思い込みがちです。しかし実際には、リーダーにも得意なことと不得意なことがあります。苦手なことも全て自分で指導しようとすると、全部が中途半端になってしまう可能性もあります。大切なのは「何でもできること」ではなく、「チーム全体のパフォーマンスを高めること」。チーム内に自分よりスキルの高いメンバーがいたら、育成もその人に任せてしまえばいいのです。ある作業の能力が突出して高い人。教えるのが上手い人。とにかく世話好きの人。チーム内を見渡すと、そんな人材がいるはずです。リーダー自身が苦手なことがあれば、代わって教えてくれるメンバーを見つけておくことが大切です。人は、誰かを教えることで学ぶものです。その社員も教える側に立つことでやる気や責任感が高まり、さらなる成長につながります。

p156「振り返り」が主体的な人を育てる
部下の主体性を育むことは、リーダーの重要な仕事の一つですが、意外に難しいものです。経験の乏しい部下に事前の座学的な指導をしても主体的な思考力は育ちません。経験も重要ですが、振り返る機会がないままでは経験が身につかず、なかなかステップアップできません。経験を積ませた上で、リーダーが部下との「振り返り」の機会をどれだけ持てるかが鍵になりますあくまで考えさせるのが目的ですから、リーダーが答えを言ってしまったら意味がありません。とはいえ、考えること自体に慣れていない若い部下からは、なかなか期待したような返答が返ってこないかもしれません。リーダー自身の過去の体験など、部下が答えに近づくためのヒントやアドバイスを与えていくのは良い方法です。振り返りをして、自分なりの言葉で考えることで経験がきちんと整理され、頭の中の引き出しを多く持つことができます。次の事態が起こった時にそれを手がかりにより深く考え、行動できるようになるはずです。同じ失敗を繰り返すのを防ぐことにもなります。この積み重ねが、自分で考える部下を育てることにつながります。

p160失敗の仕方も解決策も一つではない
例えば、何度言ってもなかなか直らない人には、なぜ同じ間違いを繰り返すのか、原因を自分で考えるように促します。その場での一時的な反省で終わらせず、原因を文章で書かせて視覚的・言語的に強く認識させるのも有効です。机の上に自分で作ったチェックリストを貼るなど、間違いを繰り返さない仕組みも自身に考えさせるといいでしょう。上司としてもほったらかしにせず、その後の経過を観察しておきましょう。我が強くて自分のやり方を曲げられず、そのせいで失敗している人、あるいは成長できずにいる人というのもいます。自分の狭い視野にこだわっているせいで周囲との軋轢を生んだり、チームの方針にうまく従えなかったりしている半面、意識も能力も高いことが多い。自分の考えを貫くものも大事だが、チームの目標やゴールを意識して、それに対して自分がどう貢献できるかを考える方が、いっそう君の能力を活かせるし、周囲からももっと好かれ、評価されるはずだよ・・・と言ったアドバイスをしてあげると良いでしょう。解決策は個々の部下によって違います。一人ひとりに合わせた指導を心がけてください。

p180優先順位の指導は意外に重要
組織内の仕事の負担を誰に偏らせず、暇な人も忙しすぎる人もつくらない。仕事の采配や分担を適切にしていくのは、リーダーだからこそ出来る事です。

p183リーダーこそ卒園して効率的な働き方に取り組むべき
「管理職なのだから残業して当たり前」「自分だけは別」長時間労働の是正や働き方の見直しがこれほど叫ばれていても、日本の多くのリーダー達はこのように考えているのではないでしょうか。私自身もサラリーマン時代は、残業など気にせず、全身全霊でがむしゃらに仕事をするタイプでした。特にリーダーとして責任ある仕事を任されればなおさらです。例え働く時間が長くても、それ以上に働きがいや仕事の成果を優先するリーダーは多いと思います。とはいえ、リーダーが自分の時間管理に無頓着ではいけません。やるべき仕事の種類が大幅に増えるので、リーダーが忙しいのは当たり前。だからこそ、時間を効率的に使い、また仕事を抱えすぎないように部下に適切に振っていくことも必要です。管理職になっても何か実務的な仕事をしていないと不安だという人がよくいますが、リーダー自身があんまり仕事を抱え過ぎてしまうと、部下を見る時間的・精神的な余裕がなくなってしまいます。部下たちがバランス良く効率的に働き、チーム内の無駄な残業を減らしていくためにも、「自分は別」とは考えず、まずもってリーダーが自分自身の時間管理と効率的な働き方にしっかり取り組むようにしましょう。

p193リーダーが矢面に立つ。犯人探しは行ってはならない。
実際にトラブルが起こってしまったら、優先すべきは顧客への対応です。顧客に迷惑をかけていないか、その規模はどれくらいか、担当の部下だけで対応できるのか、上司が対応すべきか、などを判断。顧客への対応は出来るだけ迅速にするのが鉄則です。どんなトラブルも、伝達ミスや確認作業のミスなど、ちょっとした不手際から起こります。根本的な原因は、品質に対する意識や、顧客へのおもてなし意識が薄いことかもしれません。場当たり的な対応ではなく、部下に対し改めて仕事の基本を徹底し、意識改革を促すこともトラブル再発防止には重要です。この際、原因究明はやるべきですが、「犯人探し」はやってはいけません。個人の責任を追及し糾弾するようなやり方では、本当の原因はつかめませんし、失敗が部下の成長につながりません。チームの責任はリーダーが負うもの。自分が進んで矢面に立つのだと覚悟を決めておきましょう。それが部下からの信頼にもつながります。

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いかがだったでしょうか?赤いフォント色にしたところが、特に読めて良かった部分なのですが、これだけ赤色にしたのは本書が初めてです。なのですが、本書は、いまいち評価されていないようです。リーダーを目指す人にとっては、紛れもない良書です。僕が有名になった暁には、本書を代替的に宣伝します。

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赤いフォントにしたところが、本書で特に読めてよかったなと思うところでした。

まとめると、リーダーはまず部下たちを深く知り、お互いのコミュニケーションを高めていくこと。チームとしての目標をしっかりと定め、それを部下が行動しやすいように伝えていくこと。一人ひとりのスキルやモチベーションを高めていく事が必要です。最近の若い世代は、人材の多様化が進んでいます。リーダーは今まで以上に、部下に寄り添うべきです。ビジネスだからといって、リーダーが理論を押し付け、指示・命令するだけでは人は動きません。「彼らの能力や可能性をどう活かして行こうか」と、常に前向きに考えていくことがリーダーにとって大切なことです。リーダーは単なるプレイヤーになっては駄目です。リーダーは俯瞰した視点を持ち、チーム全体の業務の進度や課題などを把握する必要があります。優れたリーダーは任せ上手であり、それによってチーム全体のパフォーマンスを最大限に引き出しています。任せて、小さな成功体験を積ませることで、部下は自分に自信を持てるようになります。リーダーが矢面に立つ。犯人探しは行ってはならない。という風にしました。

以上、部下の心が動くのはどっち? 結果を出すリーダーの選択 上田比呂志 (著)について取り上げてみました。

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ちなみに名著と言えば
嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え 岸見 一郎 (著), 古賀 史健 (著)
完訳 7つの習慣 人格主義の回復(新書サイズ) 新書 スティーブン・R・コヴィー 、 フランクリン・コヴィー・ジャパン
人を動かす 文庫版 D・カーネギー  (著), 山口 博 (翻訳) 

自己啓発書は時間がないなら、この3つを読めばおよそは補完できると言われています。ほとんどの自己啓発書の思想は上記の著書から影響を受けているように感じます。上記3冊は内容すべてが素晴らしく、僕が一つずつピックアップする必要はなさそうです。読まれてない方は是非一読いかがでしょうか?

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というわけで脇村の日常で役に立つ技術ー雑記ブログ記事、次回もよろしくお願い致します。

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